Freelance
コードが書けない自分が、AIだけでこのサイトを作った話
コードはほぼ書けない。それでも数日でこのサイトを公開できた実録。アイデアはあるのに形にできなかった過去から、苦手を任せて得意に集中する働き方まで。
今このページを開いてくれているこの場所が、自分が AI と作ったサイト本体です。
コードはほぼ書けません。サイトを組み立てる仕組みについても、半年前まで何も知りませんでした。それでも、数日で公開まで持っていけました。
これは「すごいでしょ」という話ではなくて、苦手なものを AI に任せて、自分の得意の方へ振り切ったら、こうなった、という記録です。
似た立場の方の参考になれば嬉しいです。
ずっと「自分では作れない」と思っていた
自分は、文系の Web マーケターです。8 年間、コンテンツや SEO の現場で仕事をしてきました。
その間、ずっと抱えていた葛藤がありました。「企画はできる、コピーも書ける、設計図も引ける。でも、それを自分で作れない」。
サイトを作るときは、必ずエンジニアやデザイナーに依頼が必要でした。予算を確保し、要件をすり合わせ、納期を待ち、フィードバックして修正してもらう。
このリードタイムが、本当につらかった。頭の中ではすでに完成しているのに、出力までに時間がかかる。作りながら直せない。
「自分で作れたら、どんなに早いだろう」と、ずっと思っていました。
AI と本気で組み始めて、変わったこと
転機は、半年前くらいです。
それまでも AI は仕事で使っていましたが、ライティングの補助レベルでした。ところが、AI のコーディングツール(Claude Code)と組んで使うようになってから、見える景色がガラッと変わりました。
「ここをこういう構成のページにしたい」と日本語で伝えると、コードが返ってくる。「ここの余白をもっと取って、見出しを明朝にして」と言えば、すぐに反映される。
細かいデバッグも、エラーログを貼り付けて相談すると、ほぼ的確に直してくれます。
これは自分が「コーディングを覚えた」のではなくて、コーディングというハードルが、自分にとって”頼れる相棒に話しかける”ことに変わった、という変化です。
ハードルの構造が、全部書き換わってしまった。
このサイトを作ったプロセス
具体的に、このサイトをどう作ったかを共有します。
1 日目:セルフインタビューでブランド設計
自分が何を大事にしているか、どんな声で話したいか、どんな相手に届けたいか。ここを言葉にする工程から始めました。
自分のことを自分で書くのは、本当に難しい。なので「質問してもらって、自分が喋る」形に切り替えました。
具体的なやり方はこうです。まず AI に、自分という人間とこれから始めるサービスについて、深掘りする質問リストを 30 個ほど作ってもらいます。
続いて、質問を 1 つずつ眺めながら近所を散歩します。スマホの音声メモを録音モードにして、思いついた答えをそのまま喋っていく。
家に帰ったら、録音を NotebookLM(音声と文章を扱える Google の AI ツール)に流して文字起こし。そのテキストを別の AI に渡して「ブランド方針書として整えて」とお願いすると、自分の言葉のニュアンスを保ったまま、構造化された文書が返ってきます。
要するに、インタビュアーすら AI にやってもらったわけです。
「相手が人間じゃないと深い話は出ないんじゃ?」と思われそうですが、自分の場合はちゃんと機能しました。歩いている時の自分は、机に向かって書こうとする時の自分より、ずっと素直に喋れる。
質問する側の役割を AI に渡してしまえば、答えることに集中できます。
これが、その後の全工程の地盤になります。ここを飛ばして AI に丸投げすると、まあ間違いなく「それっぽいだけ」のサイトができます。
2 日目:要件定義
ブランド設計を踏まえて、要件定義書を書きました。サイトマップ、デザインの方向性、必要なページ、ブログの分類設計、SEO の指針まで、A4 で 10 ページ程度。
この工程も AI と壁打ちしながら進めています。「サービスページにはオプションを何個並べたら過多に見えないか」「ブログのカテゴリは何本柱でいくか」など、判断に迷うところを相談しながら整理していきました。
ただし、「何を載せるか」「どんなサービスにするか」「どんな声で語るか」── ここの判断は、すべて自分の頭で決めています。
AI は構造化と比較検討の壁打ち相手として、めちゃくちゃ優秀です。ですが、最後の意思決定を委ねたら、サイトから自分の色が抜けてしまう。
ここはずっと意識していました。
3 日目以降:Claude Code で実装
要件定義書を Claude Code に渡して、実装をスタート。
「まず土台」「次にトップページ」「その次に About」── 段階を区切りながら、対話形式で進めました。
途中で「ここはちょっと違うな」「もっとこういう温度感にしたい」と思った箇所は、その都度伝えて修正してもらう。細かい仕様の判断は、自分が持つ。コードの実装そのものは、AI 側に任せる。
この役割分担で、ほぼ詰まらず進みました。
途中、見た目の設定がうまく反映されないことや、画像の位置がズレることはありました。でも「何がおかしいか」を一緒に切り分けながら直していけば、思ったよりすぐ復旧します。
ひとつだけ正直に書いておくと、AI と組んでいてもなお難しいのは「最終的に、いいかどうかの判断」です。
コードや画面の出力は、ほぼ完璧に上がってきます。でも、「これは自分のブランドの温度に合っているか」「コピーは自分の言葉になっているか」── ここを判断するのは、最後まで人間の側です。
ここで雑になると、せっかくの AI 出力が、平均的な「それっぽいサイト」に着地してしまう。逆にここを丁寧にやれば、AI が出してきたものが「自分にしか作れない手触り」に変わります。
「時代が、自分に追いついてきた」
作りながら、不思議な感覚がありました。「自分の頭の中にあったものが、初めて全部、外に出せている」 という感覚です。
これまでは、頭の中に出力したい絵があっても、最後の工程で誰かの手を借りるしかなかった。それが今は、最後の最後まで自分の手 ── と AI の手 ── で、出せる。
「時代が、ようやく自分に追いついてきたな」と思いました。
10 年前から思い描いていた「自分の頭の中をそのまま外に出せる人生」が、急に現実になった、というか。
これは自分だけの感覚ではないと思います。「企画はできるけど実装が壁」だった方にとって、これからの数年で、いろんなことが急に「自分の手で出せる」ようになるはずです。
これまでは、頭の中のアイデアの 8 割を、誰かの手を借りないと出せませんでした。これからは、その 8 割を、自分の手で形にできる時代が来る。
そう考えると、AI は怖いものではなくて、長く待ち望んでいた相棒なんじゃないか、と自分は思っています。
苦手は任せて、得意に集中する
このサイトを作って、一番強く実感したのは、これでした。
苦手なものに無理に取り組まなくていい。AI に任せて、自分は得意な部分で勝負すればいい。
自分の場合、得意なのは「ブランドや言葉の設計」「人の話を聞いて言語化すること」「全体の構成を組むこと」。苦手なのは「コードを書くこと」「細かい実装」「定型作業を継続すること」。
得意の方を、もっとやる。苦手の方は、AI に任せて、人としての判断だけ残す。
このバランスで、ひとりでも、複数の媒体と複数のサービスを同時に回せるようになりました。8 年間ずっと感じていた「外注のリードタイム」が、ほぼゼロになっています。
これは、独立した自分にとって、本当に救いになりました。
ひとつ、これから AI でサイトを作ろうとしている方に伝えておきたいことがあります。最初の数時間は、必ず詰まります。
慣れない道具と、慣れない言葉のやりとりで、思った通りに動かないことが続きます。ここで「やっぱり自分には無理だ」と離れてしまう人を、たまに見ます。本当にもったいない。
詰まったときは、慌てずに「いま何が起きているのか」を、AI に言葉で説明してみてください。状況を整理して伝えるだけで、半分は解決します。
残りの半分は、原因を一緒に切り分けて、ひとつずつ直していけば、ちゃんと戻ってきます。
数時間の壁を越えたあとは、信じられないスピードで進めます。
結び:何を作るかは、自分が決める
最後に、ひとつだけ。
このサイトを作りながら、何度も思い出していたのは、「結局、何を作るかは、AI じゃなくて自分が決めなきゃいけない」 という当たり前のことでした。
ブランドの方向性、誰に届けたいか、何を大事にするか。ここを決めるのは、AI ではなく自分。そこさえちゃんと決まっていれば、AI は驚くほどよく動いてくれます。
逆に、ここがぼんやりしているまま AI に頼んでも、「それっぽいだけ」のサイトしかできません。
なので、これから AI でサイトを作ろうとしている方には、書く前に、自分が何を伝えたいかをちゃんと言葉にする ── ここから始めるのを、強くおすすめします。
そうすれば、AI は本当にいい相棒になってくれます。
― しみっち
- #AI
- #build-log
- #Claude Code
- #独立
- #フリーランス